CONTRABASS コントラバス について・・・・簡単に・・
















これはとある一室で撮影いたしました。画像でお分かりになるかとは思いますがコントラバスといえど色・形・大きさ・重さ・材質など、一台一台に違いがあ
ります。材質が変われば当然音色がかわります。低い音というのは人間の声の周波数に近く、体の芯に響き暖かい音のする楽器でもあります。そして一
つ一つ音色の違いがあります。簡単にコントラバスについてご説明をさせていただきたいと思います。

学校公演などに行って小学生のお子様によく言われるのは
「ヴァイオリンのおばけー」、「でっかいヴァイオリンー」なんて言葉です。
「ヴァイオリンが大きくなっただけちゃうの?」
なんてことも言われたことがあります。ベーシストの皆さんの多くはこういう事を言われ続けてきたのではないでしょうか
実はヴァイオリンとコントラバスは属名が違っています。
それぞれ違う先祖の楽器から発達した楽器なのです。

コントラバスの起源は15世紀から18世紀(ルネサンスからバロック時代)にかけて、
ヴァイオリン属に先立って使用されていたヴィオール属である、「ヴィオール」にあります。
その中の低音楽器「ヴィオローネ」が直接の先祖であったとされています。ヴィオールはヴァイオリンの普及にしたがって廃れていきましたが、
コントラバスは当時のヴィオールの姿を多く留めています。
17〜18世紀には構造、調弦法、弦の数などが異なる様々なタイプが存在していましたが、
19世紀にはヴィオローネにあったフレットがなくなり、20世紀はじめには弦の数も現在の4弦に落ちつきました。
弓というものを用いて演奏するのが起源ですがこの弓を発したのはアジヤ民族だという説もあります。モンゴルで馬頭琴という楽器が12〜13世紀ごろか
ら演奏していたとされているからです。

コントラバスが日本に入ってきたのは、明治13年ごろとされ、初めて日本で演奏されたのは明治14年の宮中での演奏会で山井基万氏が演奏したという
記録があります。弦を巻き上げる張力は数100キロから一トンともされ、昔はガット弦と呼ばれる動物の腸の皮を使ったものが使われていました。現在
はスチール、ナイロン、ナイロンガット、ガット製などがあり、弦の種類もジャズ用クラッシック用とあります。
張る弦によって音色が変わったりします。そういう点も弦楽器の面白いところですね。
楽器によっては相性が合わない弦もあったりします。(チェロやヴァイオリンも同じくさまざまな弦の素材があります)
ボディサイズは4/3、4/4、4/2とありますが、一般的には4/3を使用している奏者 が多いです。
ヨーロッパの4/4は日本の4/4より少しサイズが大きくなっています。
たまに女性の演奏家を目にされると とても、驚かれる方がいらっしゃいますが
ヨーロッパやアメリカでは、女性の演奏家はとても多いです。自分の体にあった楽器を選べば小柄な男性でも、女性でも
気軽にコントラバスを楽しんでいただけると思います。

右手の奏法はピチカート、擦奏と言われているアルコ奏法(ボウイング)とあります。
100年ほど前にアメリカでジャズが誕生してからはピチカート奏法は独自の進化を遂げていきます。
アルコ奏法に関しても近代における奏法はより高い演奏技術を要求されていくようになります。
左手の奏法はジャズとクラッシック、唯一共通項があるといっていいかもしれません。奏者によっては、独自の技術奏法で演奏している場合があったり
します。高い演奏技術を要求されるコントラバス協奏曲、コントラバス小作品なども残されており
このように近代におけるベース奏法は進化の道をたどらざるを得なくなっているといっていいでしょう。
  
  text 廣田昌世

                                                      

参考文献 ・・・プラウニュスキー著 コントラバスの歴史
         松野茂著             コントラバス教則本



ヴァイオリンとコントラバス

                                      



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